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原発再稼働における設備面での心配 - トウカイタクミの資産形成
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原発再稼働における設備面での心配

初めに

先日東海第2原発の安全審査の実質合格が出された
とは言っても再稼働するにも廃炉になるにしてももうしばらく時間がかかる事は間違いないだろう

さて、実際問題再稼働をするにあたって心配されるのは設備がきちんと稼働するのかと言う問題
自分はプラント配管設備の仕事をしていたので、配管設備の面で4年間休止していた設備を動かせるものかを書きたいと思う

配管の種類

配管の種類は大きく分けて4種類ある

白管(SGPW)
・主に水やエアーを通す配管
・外面内面ともに鉄の配管に亜鉛メッキがくっついておりさびにくい

黒管(SGP,STPG)
・主に蒸気配管に使用する
・水配管で使用するとすぐにさびが発生する

ステンレス管(TP-A、TP-S)
・主に薬液配管や製品配管(人間が口にする)に使われる
・SUS304以上の材質であればそうそうさびることが無い(304Lや316、316Lが上位の物として使われる)

塩ビ配管(VP、VU、HI、HT)
・主に薬液配管や水配管、排水配管に使用される
・ほとんど材質変化を起こさない(劣化はする)
・施工が楽だけど漏れやすくもある
・耐久性が低い、高温(基本60°以内)以下で使用できない

細かく言えば空調に使う銅管やPP管、PE管もあるが基本はこの4つがメインの配管となる

問題が出る可能性が高いのは蒸気配管

配管の種類を3つ上げたが中でも問題になるのが多いのが蒸気配管(黒管)だ
因みになぜ蒸気に白管ではなく黒管を使うのかと言うと白管についている亜鉛メッキが蒸気が通る事によってはがれてしまうからだ(はがれたメッキがストレーナーに詰まったり、設備に入って問題が起きる可能性がある)

逆にステンレスを使えばいいと思うかもしれないが、ステンレスの熱膨張係数は17,3(鉄は約12)と約1.5倍(実際は2倍で計算する事が多い)と言うのが厄介な所
蒸気配管を施工する時は伸縮接手やタコベンドを施工するのだがこれがステンレスになると倍の手間がかかると思っていい
何より1番の問題は溶接部が割れるという事
当然溶接部も1.5倍伸びるので熱くなったり冷たくなったりを繰り返せば金属疲労も1.5倍となる

今までも蒸気配管をステンレスで施工している会社にいった事があるが、定期的に溶接部が割れて漏れが発生してしまうのでお勧めしない(バックシール、裏波溶接まですればそうそう漏れないが)

そんな訳で蒸気配管には一般的に黒管を使用する

腐食による漏れ

配管の種類の所でも書いたが黒管は腐食しやすい、そして腐食する条件の1つが水と空気だ
つまり使用している時はまだいいのだが休止しているとドレン(水)がたまり、空気にも触れることとなる為一気に腐食してしまう

本当はドレントラップと言う配管内の水を排出する機器もあちこちについてはいるのだがドレンは間違いなくたまる(経験上蒸気配管修理の際に配管を割るとまず間違いなくドレンが出てくる)
そうして長期間にわたり腐食した配管を使用しようとしてもあちこちで漏れが発生する可能性は極めて高いだろう
また、使用する前に確認しろとか思うかもしれないが、火傷防止及び省エネの為保温材がくっついているので確認するのは難しいかと思う(金銭的に)

ウォーターハンマーによる漏れ

もう1つがウォーターハンマーによる破壊だ
この場合のウォーターハンマーはたまったドレンを押し出すことによって発生するものを言う

以前某工場でどうしてもドレンがたまってしまう蒸気配管(200A)の工事を行った時
工事が終了して元バルブをゆっくり開けたのだがしばらくたってものすごい音がしてフランジパッキン(#1120)が半分吹っ飛んでしまった事がある(蒸気圧力0.6Mpa)
ちょうどフランジ漏れの反対側に立っている人もいて肝が冷えた
場所は2階の外のベランダのような所でもし反対側が漏れていたら吹っ飛んで下に落下していただろう

圧力は1Mpaで上に吹かせた時10M吹き上げる力がある(0.6Mpaなら6m)
それだけの力を込めたドレンが配管内を一気に通り抜けるわけだ
水も速さを持てばコンクリート並み(15Mの高さから飛び降りたら瞬間的には同じらしい)という
つまりそれだけのかたまりを一気にぶつけられたようなものという事
実際パッキンは1Mpaは耐えられるはず(ちゃんとつぶれた状態で)なので瞬間的には配管の耐圧以上の力を持ってしまう可能性を秘めているという事だ(閉鎖圧力の問題もある)
結論

腐食した配管に衝撃圧を加えたら漏れる可能性が高まる事は想像にかたくない
さらに熱膨張による金属疲労も起こる訳だ

正直言って4年も止めていた機会を動かす事を考えたら配管設備屋から見たらどこが漏れてもおかしくないと思う
当然の事だが再稼働前に蒸気を通して問題が無い事の確認は必須である

それでも配管が相当傷んでいる事が考えられるので、漏れがあったスパンは次の定期修理期間に配管の丸交換と言った事をしていかなくてはいけないだろう
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